【宮本亜門×とよた真帆】特別対談で語った、保護犬猫と暮らすということ

2017年10月9日(月・祝)、TOKYO ZEROキャンペーン主催のペットを取り巻く日本の現状を考えるシンポジウムが開催された。その中でTOKYO ZEROキャンペーンの呼びかけ人であり、ご自身が保護犬猫の飼い主でもある演出家の宮本亜門さん、女優のとよた真帆さんによる特別対談が行われ、「保護犬・保護猫を飼う意義や責任、ともに暮らしていて得られる幸せ」について語られた。

 

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宮本亜門さんと保護犬ビート
沖縄で映画の撮影中、上から石が載せられた籠の中に口に針金が巻かれた犬を見つけ、引き取ったのが初代のビート。初代ビートが亡くなった後、沖縄の保護センターから引き取ったのが現在の2代目ビート。

とよた真帆さんと保護猫たち
撮影場所や家の前で見つけた野良猫、施設から引き取った子など多いときで8匹の猫がおり、現在は3匹の猫と暮らしている。著書に保護猫との暮らしをつづったフォトエッセイ『もふもふ猫まみれ とよたさんちのマブ猫(だち) 22のハッピールール』(講談社)

何かしらトラウマがあったのかと思うことがある

「保護犬猫を飼い始めて慣れるまでに大変なことはあったか」という質問に対し、とよたさんは「多頭飼いだったので猫同士の相性はありますが、相性が悪いから飼わないということはせず私が仲裁に入ったり、うちはそういう子が集まる家だ!という姿勢で接してきました」とのこと。

また「保護犬だから、というわけではないかもしれないけど」と断りを入れつつ宮本さんは「特定の場所に行くと怯えるんですよ。きっと何かトラウマを抱えるようなことがあったんだと察することはありましたよね」と語り、とよたさんも「野良猫だった子はカラスに怯えてました。推測でしかないけど野良時代に兄弟がカラスに襲われたとか怖い思いをしたんじゃないかと感じることはあった」と語った。

保護犬猫だからこその可愛さがある

トラウマがあったのかもしれない、それだけ聞くと飼うのは難しいのかと感じるかもしれないが決してそうではないと二人は言う。「一度捨てられた、という悲しい思いがあるからでしょうか、ものすごく甘えん坊なんですよ。どこに行くにもついて来て、ずっと身体に寄り添ってくるのでかわいくて仕方ないんです。泳げないのに僕が海に入って姿が見えなくなると、心配になって海に飛び込んできちゃいました、二匹ともです」とエピソードを交えつつ保護犬ならではの可愛さがあると宮本さんは語った。

愛犬ビートとのエピソードを語り、つい頬が緩む宮本亜門さん

とよたさんも「保護施設の子は生まれてからずっと人にお世話されていたのでとっても天真爛漫だったり、野良だった子・保護施設の子それぞれに特徴があり、その違いが可愛いんです。楽しいとしか伝えられないのが歯がゆいです」とそれぞれの可愛さがあると語ってくれた。

10人中1人の行動が変われば大きく状況は変わる

2016年度犬猫の殺処分数は5万6千匹。ふるさと納税を活用した取組みなど殺処分を減らす動きは増えてきたが、いまだに多くの命が失われている。「殺処分をする自治体が悪いとか、そういうことではない。そういう状況になってしまったことが問題であり、悪循環を断ち切ることが重要だ」と宮本さんは言う。
そして、とよたさんは決して難しい問題ではないと言う。「年間数十万匹の犬猫が新しく飼われている。この中の10人のうち1人でも保護犬猫を飼う選択肢を選んでくれたら、それだけで殺処分の状況は大きく変わるはず」

10人のうち1人でも行動が変われば殺処分を取り巻く環境は変わる、と語るとよた真帆さん

対談の進行を務めた朝日新聞社記者の太田氏によると年間の新規の飼育数は流通ベースで延べ60万、実質40万匹程度であるとのこと。10分の1だけでも保護犬猫という選択をすれば4万匹が救われる計算だ。決して不可能な数字ではない。

対談の最後、とよたさんがとても印象深いメッセージを会場に送っていた。

「私が救ったようで、私が救われたと思う。人生の彩りをもらったのだから」

10分の1といわず、もっと多くの人が保護犬猫という選択をする日が来ることを願うばかりだ。


TOKYO ZEROキャンペーンとは
TOKYO ZEROキャンペーンとは東京五輪が開催される2020年までに、不幸な犬や猫を「ゼロ」にし、まずは東京を世界にほこれる「動物福祉先進都市」とすることを目標とした取組み。掲げている解決策は以下の3つ。
① ペット産業適正化のために「8週齢規制」を早期実施
② 捨てられた犬猫のために「動物愛護センター」を「ティアハイム」的施設に転換するよう促す
③「保護犬」「保護猫」との出会いを広める
この3つの解決策の実現に向けて多くの著名人が呼びかけ人として情報発信をしている。
http://tokyozero.jp/


 

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