犬猫の「殺処分数」はニュースにも取り上げられたりと比較的目にすることが増えましたが、もう一つ重要な指標があります。それが「殺処分率」です。自治体の犬猫の「引き取り数」に対する「殺処分数」の割合です。どんなに殺処分数が少なくても殺処分率が高いということは、その自治体の保護環境が整っていない、または譲渡活動が上手くいってないことを表すからです。
環境省が発表した最新の自治体別の犬猫の引き取り状況(平成28年度)を犬猫さがしが独自に集計した結果、都道府県別に比較すると犬猫合わせた殺処分率がもっとも高いのは和歌山県でした。
その和歌山県の中核市である和歌山市が汚名返上すべく、不妊去勢手術を行う体制を整えるためのGCF(ガバメント・クラウド・ファンディング)を開始しました。
和歌山市が抱えている課題とは
和歌山市はこれまでも譲渡活動を行ってきましたが、特に猫の処分数を減らせないことが課題でした。その原因は野良猫の多さと不妊去勢手術の施設不足です。毎年多くの子猫が生まれ保護しても譲渡が追いつかず、県と共同で地域猫対策を推進していますが市単体での手術の施設がないため、年間に手術できる頭数に限りがあるのが現状です。
GCFによる寄附の使い道は?
この状況を打破し動物愛護の先進都市になることを目指し、和歌山市は野良猫・保健所で保護された猫に不妊去勢手術を行い、繁殖抑制と譲渡の促進を行っていくとのこと。
その取り組みを後押しするように(仮称)和歌山市動物愛護センターを建設、2019年10月に竣工を予定してます。センターでは診察室と手術室が設けられ、野良猫や保護された猫の不妊去勢手術を行うことができるようになります。
今回のGCFは施設で使用する手術台や診察台、麻酔装置などの設備や薬品を購入するために開始しました。目標金額は1800万円。募集期限は2018年8月19日まで。寄附の使い道は以下の通りです。
設備の拡充:12,781,800円
用具や薬品:5,218,200円