犬猫を捨てる飼い主が多い都道府県はどこ?都道府県別に集計(平成29年度版)

都道府県別の飼い主からの引取り数(犬のみ)

まずは飼い主から捨てられた犬の数の都道府県別ランキングを確認します。

ご覧の通り鹿児島県・北海道が上位な点は変わりませんが、3位以降は犬猫合計の時とは大きく異なる結果となり、福岡県・神奈川県・千葉県・兵庫県・大阪府・埼玉県という都心部が占めていました。

都道府県別の飼い主からの引取り数(猫のみ)

続けて飼い主から捨てられた猫の数の都道府県別ランキングを確認します。

捨て猫だけのランキングはそもそもの母数が大きいこともあり、犬猫合計に近い結果となりました。捨て犬猫の数を比較すると捨て猫の数の方が倍以上いること、捨て犬は減少傾向にあるが捨て猫は微増していることがわかります。昨今の猫ブームにより猫をペットする人が増えた影響もあるかもしれません。

どんな犬猫が飼い主から捨てられているのか

最後に飼い主から捨てられる犬猫は成熟・幼齢どちらが多いのかを纏めました。

犬は圧倒的に成犬が多く9割以上を占めています。猫も成猫が多いものの約3割は子猫であることがわかります。要因は犬猫共に大人になって世話が大変になったなど、終生飼養に対する意識の低さがありますが、猫については子猫も多いことから避妊・去勢に対する意識の低さも推測されます。

捨て犬猫の数から見えること

皆さんがお住まいの都道府県の捨て犬猫の数は多かったでしょうか、それとも少なかったでしょうか。飼い主からの引取り自体は冒頭ご説明した通り、全体の引取りからすれば一部です。

しかし単純な数だけの問題ではなく、ここから見えてくるのは飼い主、ひいては国民全体の終生飼養というペットと暮らす上で当たり前の意識の度合いではないでしょうか。前年と比較し飼い主からの捨て犬猫の数がほぼ変わっていないことから意識が上がってきているとは言えない結果でした。

終生飼養をはじめペットと暮らすためのルールへの理解が国民全体で深まれば、もちろん捨てる人も減り、里親という選択を選ぶ人も増え、不幸な犬猫を減らす法改正も推進されやすくなり本質的な殺処分の減少に繋がります。

この記事はどこかの都道府県を悪く言うことが目的ではありません。少しでも犬猫を取り巻く問題を自分ゴト化し、ペットと暮らすためのルールへの理解が深まるきっかけになれば幸いです。


出典:環境省「犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況」(平成29年度)を加工して作成
   「平成29年10月1日現在人口推計調査結果」(総務省統計局)を加工して作成


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