新しい家族に迎え入れられた元保護猫をご紹介する「今週の保護にゃんこ♪」
第5回は三毛猫の廉(れん)ちゃんです。ご紹介くださったのは都内在住のアイさん。廉ちゃんはアイさんのお母様に引き取られ、現在沖縄で暮らしています。
廉ちゃんは、アイさんのお母様の知り合いの方が里親を探している子猫たちの一匹だったそうです。きょうだい達が新しい家族を見つけていく中、廉ちゃんだけがいつまでも引き取り手が見つからず、このままでは保健所行きも考えざるを得ないという状況だったといいます。
最初は断ったものの、数度打診されて引き取ることを決心したというお母様の話を聞いて、アイさんは最初心配したそうです。「当時単身暮らしで犬も飼っていた母は、猫を飼った経験がなかったんです」とアイさん。
しかしそんなアイさんの心配をよそにお母様のところへお嫁入りした廉ちゃんは、人懐こくすくすく育ち、とてもおしゃべりな猫になりました。なんと、起きている時間の3分の1は話し続けているというのです。
お母様が外出して帰ってくると、車が家に着くや否や家の中からにゃーにゃー鳴いている声が聞こえはじめます。そしてその後は20分から40分もの間、質問攻めにされてしまうそう。
廉ちゃんはおしゃべりなだけでなく、礼儀正しい一面があるそうです。アイさんが初めて廉ちゃんと対面したときは、どこからか虫を捕ってきて半殺しの状態で差し出されたとのこと。これは猫なりの愛情表現なのです。
また廉ちゃんが10歳になった頃、お世話になった生家の方と再会しました。いつもは隠れているシャイな廉ちゃんですが、そのときはすぐに出てきてきちんとご挨拶したそう。
さらに廉ちゃんはおしゃべりなだけではなく、人間の言葉が分かるのか、「5分だけ寝る」と伝えてうたた寝をするとぴったり5分後に起こしてくれるそうです。
「もらい手が他にいなかったから」 ― きっかけは消極的なものだったとはいえ、廉ちゃんとの生活はお母様にとってかけがえのないものになっていきました。
お仕事の関係で何度か引越しされているというお母様。猫が飼える部屋を第一条件として探し、いつも廉ちゃんと一緒です。
「環境さえ整えば、自分も母のように猫を引き取って一緒に暮らしたい」と話すアイさん。廉ちゃんとお母様が共に歩む姿を見守り続けて15年。廉ちゃんのおしゃべりは昔と比べると随分落ち着いてきたそうです。きっと沢山話さなくても意思疎通ができる家族になれたんでしょうね。これからも幸せに暮らして欲しいですね。